2015.01.07
⑥実習・授業
こんにちは。
バイオテクノロジー科醸造・食品コースで行う3種のお酒(ワイン・焼酎・日本酒)の醸造実習のうち、ラストを飾るのがこの清酒醸造であり、2年で卒業する学生にとっては最後の大がかりな醸造実習になります。
ABioでは、新潟県上越市吉川区で生産・精米された酒造好適米「五百万石」を使用した、「純米吟醸酒」を造ります。
写真は実際に使っている、60%まで精米によって表面を削った米。
普段食べているお米より、ちょっと粒が丸くなってるのがわかりますか?
※純米酒とは・・・米麹(こめこうじ)と水のみを原材料にして醸造アルコール添加を行わない「米だけで造った酒」。
※吟醸酒とは・・・酒米を60%に精米(削る・磨く)し、麹歩合は15%のお酒。
日本酒造りはおおまかに、
「米を蒸す」→「麹(こうじ)をつくる」→「酒母をつくる」→「もろみをつくる」→「もろみをしぼる」→火入れをして完成!
となります。
今回は、本日までで約3日をかけて行った「麹をつくる(製麹)」作業を紹介します
まず、酒米を浸水させ蒸します。
それを36℃程度まで手で広げてほぐしながら冷まし、布に広げたのち、「種麹(たねこうじ)」をつける作業を行います。
こちらが種麹。
お米にコウジカビをたくさん生やしたものです。表面に見えてる緑色がカビの胞子。
ざるを利用して、蒸米にコウジカビの胞子をふりかけます!
何回かに分けて、まんべんなく胞子がいきわたるように蒸米にもみこみます。
胞子をまく人、蒸米を混ぜる人、協力しての作業です!
コウジカビは米のでんぷんから糖を生み出す働きをしてくれます。
しっかり米を糖化してもらうために、よーく混ぜておきます。
ちなみにこの種付け作業、気温約30℃、湿度約60℃の部屋で作業しています。
とても蒸し暑いです。カメラのレンズも曇ります。。。
種付けが終わったら、布にくるんで室(むろ)に置いておきますが、そのまま放置しておくわけではありません!
ここから蒸米にコウジカビがどんどん繁殖していくので、彼らが働きやすいよう、混ぜて温度を調節したり、空気を送ってあげます。
日夜関係なく一定時間ごとにお世話をするので、製麹作業のあいだの約3日間は学生のみんなも泊まり込みで作業を行います
しかし、「製麹」はお酒の出来を決める重要な作業のひとつ。手を抜くわけにはいきません!
このあと、完成した麹を使い、酵母菌も登場して、いよいよアルコール発酵を進めていきます。
今後の工程も、引き続きご紹介していきます